おはなしムジカVOL.2コンサートで使用した絵本
「しろいうさぎとくろいうさぎ」
ガース・ウイリアムズ 文・絵 まつおかきょうこ 訳
広い森の中で、楽しく暮らしていた
しろいうさぎとくろいうさぎ。
けれども、うまとびをしていても、かけっこをしていても、
くろいうさぎは、時折とても悲しそうな顔をする。
「どうしたの?」
「うん、ぼく、ちょっとかんがえてたんだ」
同じ会話の繰り返し。
声に出して読んだときに、それはリズムとなり、
聴く人の安心感や心地よさに繋がるように思う。
けれども、本書でのくろいうさぎの繰り返される悩み事は、
しろいうさぎも巻き込み、共に生きていくということの意味を
見出す重要なアイテムとなる。
繰り返されることで、考え事は熟成され、簡略化され、
そしてその意味を明確にする。
或いは、しろいうさぎは既にその答えを持っていて、くろいうさぎの想いが
重なるのを静かに待っているとも読み取れるけれど・・・。
こんなかわいらしいお話でも、「やっぱり男よりも女は強いなあ」
と妙なとこに感心してしまう。
ちょっとひねくれ者の感想文。